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Cafeの空耳 <旧赤プリ、殿下の恋>
                     Cafeの空耳
               <旧赤プリ、殿下の恋>

     

通称「旧赤プリ」とは「赤坂グランド・プリンス・ホテル」の略であり、朝鮮最後の王家であった李王家が、韓国併合後日本の皇族に準ずる待遇を受け、その李王家の李根(イ・ウン)殿下が1926年(大正15年)に王位継承したさい、日本の皇族梨本宮の長女万子様を妻として迎えた邸宅であった。
そして終戦後、国土計画興業(後のコクド)が取得し、1955年に西武鉄道がホテルとして開業したのだったが、去年話題になったのは、徐々に低くなりながらいつの間にやら消えるという、先端技術を駆使して解体した高層の新赤坂プリンス・ホテルだ。
「旧赤坂グランド・プリンス・ホテル」はその高層の新赤坂プリンス・ホテルの隣りにあるが、僕はこの建物も解体されてしまうのかと思っていた。
しかしこの建物は解体されることなく、工事中一時移動させながら元に戻し保存されることとなった。
その方法とは、写真のように建物の土台をコンクリで固めジャッキで上げた後、レールをひきつめた上をそのまま移動させるということものだった。
まぁそんな記事を読み安堵しながら、僕の脳裏に走馬灯のように数々の想い出が蘇ってきた・・・
それはすでに30数年ほど前にもなるが、僕が結婚式を挙げたホテルだったからだ。
結果的には、残念ながら離婚をしてしまった今となっては(忘れてしまいたい!)のではと思われるかもしれないが、それどころか、僕にとっては生涯忘れることのできない結婚式となったからだ。
その内容とは、当時モデルをしていた一回りも年下の嫁の為、友人のCMディレクターやスタイリストにイベント・プランナー達が、花嫁をなんと7回も衣装を変させて登場させるなど、まるでファッションショーのように華やかに企画構成したのだった。
そして来賓には、若くして亡くなられた高円宮憲仁親王殿下(当時はまだ高円宮を名乗る前で三笠宮様の三男坊であった)や、カメラマンの関口照生さんの妻である女優の竹下景子ちゃん、それにマージャンやゴルフ友達だった男優の柴田恭平などが列席してくれ、その上全員が祝辞までのべてくれた。
そして最後には当時遊びでやっていた僕達のロック・バンド<青山二丁目バンド>の演奏と、まるで芸能人まがいの華やかな結婚式となったのだ。
それにしても(なぜ殿下が?)と思われるだろうが、僕が高円宮憲仁親王殿下(僕はノリちゃんと呼んでいた)と知り合ったのは、ノリちゃんが学習院大学に入学した頃、ご学友の女の子が昼間僕の店(当時の店walkin)でアルバイトをしていたことがあり、ノリちゃんは近くの赤坂御所内に住んでいたこともあり、レコードを聞いたりかけられるうちの店は格好の遊び場所となったのだ。
(その後ノリちゃんの誕生パーティーに赤坂御所内の三笠宮邸に招待されたことがあったのだが、あの青山一丁目から赤坂にかけて張り巡らされた石塀の中は、一歩入るとまるでここは軽井沢かと錯覚するほど都会離れしていた。そして部屋の椅子の背には菊の御門が入り、テーブルの上に置かれたタバコケースには、これまた巻紙に菊の御門の入ったタバコが詰っていた。
それを見た時「あ〜やはりノリちゃんは皇族なんだな〜」と改めて感じたものだ)
それでも当時ノリちゃんの来店は、夜のBar・timeではなく、もっぱら昼間の健全な時間だけだっが、その後ノリちゃんはカナダに留学し音沙汰は無くなった。
しかし数年後のBar・timeだった。
「上岡さん、まだやってたんだ!」といいながら、満面の笑みを携え少し大人びたノリちゃんが現れた。
それ以来ノリちゃんは、夜な夜な<カナディアン・ウイスキ−>を飲みに来るようになったが、王位継承権第9番目にあたるノリちゃんには、常に店のの前に皇宮警察のお付きの人が車で待機していた。
こうして店の常連達からも「ノリちゃん」と呼ばれ、親しみ深い皇族として人気者になっていったのだが、店が終わっても飲み足りないノリちゃんは僕と飲み歩き、僕の自宅に泊まることもあったほどだったが、それでも常に乱れることもなく、背筋がピンと伸びた姿勢を崩すことはなかった。
そんな深夜の飲み歩きで、ノリちゃんのお気入りは西麻布の居酒屋であり、そこで始めて食したという焼き鳥の皮にいたくはまり、僕とは別行動の日も度々訪れていたほどだった。
そんな独身皇族のノリちゃんが、ある夜女性を一人連れて現れた。
「ヒデさん爽やかな人でしょう!」
そんな言葉で紹介してくれた方が、後に御結婚なされた高円宮妃殿下久子様だった。
なんとその日が初デートでもあり笑顔が絶えなかったが、ノリちゃんは久子様を好きになった理由の一つに「僕より英語が上手いんだよね」といった。
ノリちゃんは、カナダ留学で培った英会話に自信があっただけにショックだったらしいのだが、その時の久子様曰く「だって日本に住んでいるよりイギリス留学の方が長いので当たり前でしょう」とこれまた爽やかな笑顔で返した。
後日ノリちゃんは「始めて尊敬した女性なんだ」ともいっていたが「ひでさん、爽やかな人でしょう!」と紹介してくれた時のノリちゃんの笑顔が忘れられない・・・
ノリちゃんは2002年、11月21日カナダ大使館でのスカッシュの練習中に心室細動による心停止で倒れ、22日亡くなられた。
まだ47歳の若さで・・・
余談だが、結婚式の赤プリの担当者は、皇族が列席すると分かるやいなや顔色が変わり、打ち合わせなどは常に僕の家まで足を運んでくれるという待遇となった。
そして皇族や有名な俳優が列席するということで、ホテル側は僕が何者かと不思議がり、まさか唯の飲み屋の主だとは、つゆぞ思わなかったようだ・・・笑
                                by Hide






 
| Walkin' | 17:04 | comments(0) | - |
Cafeの空耳 街路灯
                 Cafeの空耳
               街路灯





  浪漫溢れる街路灯・・・
  チョコだチョコだとあの頃は、思い起こせば口元ゆるみ、帰路の足取り軽やかに・・・

               青山公園にて  by  Hide 
| Walkin' | 11:31 | comments(0) | - |
Cafeの空耳 美しき強者
                Cafe の空耳
                美しき強者


     

去年から僕の周りは出産ラッシュなわけだが、あの誇らしげなお腹を写真に収めるのは今では当たり前であり、最近はお腹にペインティングして(お腹のペインティングのプロもいる)写真に収めるのも流行っているそうだ。
僕は別に妊婦の写真などまったく興味はないのだが、この美しく秀逸な連続写真には理屈抜きで心を動かされてしまった!

                              by Hide

 
| Walkin' | 23:05 | comments(0) | - |
Cafeの空耳 道しるべ

                   Cafeの空耳
                 道しるべ
  •              
  • 静寂の色に、足元のサクサクも、息つく音も溶け込み、先は果てしない・・・
  • ふと見上げれば寒椿、それはまるで道しるべ・・・
  •                          by Hide         
| Walkin' | 12:55 | comments(0) | - |

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